『FREE FALL』という雑誌名に託した思い
FREEFALL編集長 高須基一朗
GAPPAIこと大杉徹とAZ-CANこと我妻吉信。
この二人なくして、日本のスラックライン界を語ることはできない。
日本スラックライン界が産声を上げた2009年より、誰よりも尽力し体を張って歴史に名を刻んでいった功績者の二人だ。
現在でもGAPPAIは、世界中でふぁんがそんざいし彼の名を知らぬものはいない。
そして、世界中でスラックラインをたしなむものならば、誰もが知るスラックラインの技を多く開発し世界へ発表している第一人者である。
azcanにいたっても、
日本人として始めて世界の舞台で戦った1人であり、彼がスラックラインをはじめた当初から武器としてこだわりをもって打ち込んでいたバックフリップやミスティーフリップは、大会やイベント時の最後の見せ場で、パフォーマンスでくりだしていた。
GAPPAIとコンタクトを取って、
最初に世界に浸透し開発した技は何かと今一度、確認をしたところ、最初に世界に浸透した技は、〝Nasty chest〟だというではないか。
それを雑誌のタイトルにとも一時は考えたが、GAPPAIからタイトル向きではないと申し出があった。
そして、雑誌タイトル候補として彼から提案があったのがFREE FALL。
電撃が走り心弾む瞬間であった。
タイトルむきな語呂だとも感じた。
加えて、スノボー雑誌にFREE RUNという定期刊行物があるのが脳裏をよぎった。
横ノリのイメージから逸脱せずに本の制作に着手でき、愛着の持てるタイトルだとも感じた。
ただ、azcanがスラックラインで打ちだすオハコ、バックフリップをタイトルにする案も捨て難かった。
悩みに悩んだ挙句に、最終的に行き着いたのが、日本から世界へ通用するものという一面に目を向けた。
日本スラックラインの歴史において黎明期に発表した技だが、今もさびることなく、
つなぎ技の一つとして世界中で広く浸透しているのはFREE FALLである。
2016年に入り、縦軸の技は一回転のバックフリップなどは鳴りを潜め、
二回転の技や3D系のダブル・コークとなるマッドフリップなど、危険な技が多く世界では発表されている。
単発の縦回転は鳴りを潜めている。
そうなると、GAPPAIが生み出したFREEFALLは、意味合いとしては深く掘り下げられるタイトルだと判断した。
トップライダーがくり出すFREE FALLは浮遊感がありイケている。
ただし、GAPPAIのFREE FALLは特別にかっこいい。
空中姿勢、スタイル、レイト気味にあえて、ビタ落ちして、胸でキャッチする姿は、見ているものを魅了する。
その後も、数々の技を世界へ発表し続けてきたGAPPAI。
日本から世界へ---。
世界に今なお愛されている技、FREE FALLを本誌のタイトルに決めることにした経緯を、
この日本でスラックラインを愛する方々に知ってほしいという願いも込めて。
そしてFREE FALLという技を日本人の誇りとして忘れないでほしい。
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