独創性と個性の融合。 誰もマネできないスタイルとセンス。
2回連続でコラムコンテンツに
GAPPAIこと大杉徹のことを書いている。
現段階でも
18つの企画にGAPPAIをテーマにしたものが挙がっている。
スラックラインを一つ一つ細分化して分析していくと、彼がスラックライン界に影響をもたらしたことは、いったいいくつあるのかと驚き続けているのが実情だ。
はめ込んでいる動画は2013年6月に公開されたEpic Slackline Sessions。
世界のトップライダーたちによって動画配信を利用して、視聴数を競ったイベント動画として公開されたものである。
世界のトップライダーには、カルロス・ネト(ブラジル)やアレックス・マンソン(米国)など、今なお、世界のトップライダーとして君臨している、彼らも顔を揃えた動画をコンペだ。
日本人 唯一の招待参加ライダーであったGAPPAIだが、残念ながら視聴数で世界一になることは叶わなかった。
しかしながら、
この配信動画でのGAPPAIのスタイルが、細部にわたりこだわっているので、
今でも大好きな動画の一つである。
3年の歳月が流れても技の質が色褪せたと感じさせない。
彼が世界中から礼賛され続けているのも頷ける、完成度の高い動画コンテンツとも言えるだろう。
スラックラインが世界で根付き人気スポーツの仲間入りをはたす以前の黎明期。
2008年~2012年ごろになるだろうか。
トップライダーの一人として世界にその名をとどろかせ、
誰よりもフロントフリップにこだわりを持てイベントで技をくり出し続けたパイオニアであったのがマイク・ペイトン(米国)である。
彼のお株を奪うような完成度の高いフロント技を、このEPICの動画配信で世界に見せつけた。
(ちなみに、マイクのフロントフリップの動画も入れておく。
動画開始から1分程度からスタイルのあるフロントの技が見られる。)
マイクのフロントフリップを2011年にパシフィコ横浜で開催された日本でのイベントにて生で見たときには感動したものだ。
その彼のフロントフリップのスタイルを彷彿とさせながらも、GAPPAIのオリジナル技へとレベルを引き上げているのだから、ここが凄い。
まずは、マイクのフロントは、斜め前方に飛び上がって空中に足が浮いた刹那に、足を抱えて、遠心力を使って前宙をしている。
腕の引き上げの先行動作をチカラに替えて、高スピードで回転し、グーフィースタイルの彼は進行方向左側に両足のつま先を同じ方向にそろえて気味にして、後ろ位置にある左足の土踏まずをラインのヘリ、左側面に当て込んで、横揺れに対応し、着地時にラインの跳ね返りを膝のクッションで促す。
これがスタイリッシュで疾走感があり美しい技に引き上げている。
シンプルで簡単そうに見えるフロントの技ではあるが、
アンバランスなスラックラインの上では、
そのマイク式フロントフリップのような一部、マニアックなスラックライン ファン向けてのスタイルを模写しつつ、キャッチにはニードロップなどの今で言うところのスタティック系の要素を取り入れているのがGAPPAIのEPICの動画。
現在では当たり前のようにスタティック要素がスラックラインの大会での技の得点には盛り込まれているが、この当時、細部にわたり、キャッチにもフィート以外の技をつなぎに入れていくのは、斬新なスタイルだった。
そして、この年に開催された日本オープンでも、スタティックブームを巻き起こし、つなぎにドロップニーを入れて技のプログラムを組み込んでくるライダーが異常に増えた年であったともいえるだろう。
こうしたスラックラインの歴史を紐解きながら考察すると、
GAPPAIのフロントをうちまくる動画は、今現在でも色褪せることなく、見ても面白い。
また、このEPICの動画配信された2013年ごろには、すでにマイクは公の国際大会へ顔を出す回数も激減していた。
そんな中、マイクのお家芸ともいえるフロントをうちまくって、動画を配信したわけである。
当のマイクは、このGAPPAIの動画をみて、どう感じたのか!?
いつか聞いてみたいものである。
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