アマチュア最強の称号は誰の手に!?


文:FREEFALL編集部 高須基一朗  


国内アマチュア選手の頂点を決めるスラックライン全日本選手権大会がいよいよ明日開催される。 

まずはルールについてだが、日本スラックライン連盟 傘下の国内で開催されたスラックライン大会のこれまでのルールとは異なる点があるので今一度、確認の意味も込めて以下の通り、column記事で検証したいと思う。

 これまでの日本オープンなどの勝敗を決めるジャッジング方式は
「スラックラインの歩き方」サイトにジャッジフォーマットが10月末にアップされているので参考にしてほしい。

https://slackline.jp/judgement-form/ 


まず、基本ベースは加点式。
トリックラインの技術を点数化し、
基礎点を制定。 

そもそも基礎点というものの、その基礎点が開示されていないということに違和感を持ったのは筆者だけなのだろうか!? 

何をもって基礎点なのかは言及されず、不透明な部分もあるが、おそらくではあるが基礎点=技ごとに算出された得点が存在するということではないかと思う。 

これは、この後にも説明するがコンボで連続して技を打ちした場合は、加点対象となることが定義されていることから推察できる。 

参加アマチュア選手は、一度の競技で60秒間に出来るだけ多くのトリックライン技や
連続して技を繰り出すコンボを行うことで高得点を目指し、競い合うものとしている。 

また特段理由がない限り、時間は常に流れているので、時間内にいかに無駄なバットバウンスやチェストバウンスを使わないで技を打ち出すかもポイントになる。 

60秒間の競技は2回までチャレンジすることが許されており、どちらか高い得点を採用。 

ラインは3種類の高さが用意されており、そのどれを使っても技の得点には影響はないとのこと。 

また乗るラインの高さは一度、選んでしまうと60秒間は同じ高さのラインを利用し続けなければならないことも補足しておこう。


身長の低いライダーによっては足のつかない高いラインで競技をした場合、
ノーダビング‘(減点ポイント)となるので、難易度の高い技などは高いラインで行い。

スタティック系の技のCOMBOを武器にする選手は、低いラインで挑戦するなど、状況によってラインを変えるのも得点を伸ばす要因になることだろう。 

それとは真逆にトリックラインの技術に自信を持つ者ほど、高いラインで連続して技を打ち出し
競技するのが好ましいのかもしれない。 

 

競技の加点ポイントについても事前に告知されており、 

第一に、高さ(ラインに立った時の腰位置より高く上に飛ぶ) 

第二に、競技をするライン上での振り幅(一頭身以上前後に飛ぶ) 

第三に、トリックを打ち出すうえでの空中姿勢などのスタイル(グラブ等アレンジのあるスタイル)の3つの項目を加点対象とするようだ。 

コンボ(連続技)については、技の基礎点が1.2倍として計算され加点。
単発よりコンボで技を打ち出す事により高得点を狙えるということになる。
コンボで技を連続で出していって、最後の技で失敗しても、それ以前の技はコンボとして成立するというから時間を使わずに加点対象となるのであれば、できる限りつなげてトリック技を出すのが上位を狙ううえで必須になるともいえる。 

また減点については、従来通り軽微なダビングは基礎点から減点。 

重度のダビングは基礎点ノーカウントとなる。 

そして、ここがもう一つ重要なポイントとなるのは、
同ラウンド内での同トリック(スタイルやグラブ位置が違うものも、基礎トリック技の携形が同じであれば同一トリックと判断される)
60秒の中で同トリックについて、基礎点は加算されないが、加点と減点は何度でも評価されるという。 

アマチュア選手の過半数は、60秒間で打ち出す技数の少なさという問題点を解決させる取り組みの一環とも言えるだろうか。 

できる技数が少なくても、時間内で同一トリックでも様々なスタイルが出せれば加点することが判断できる。 

そして今回のアマチュア大会で最も重きを置くべき着眼点となるのは、
ビデオ判定を採用した点だ。
これまで日本スラックライン連盟と密接な関係に位置するGIBBON JAPAN社の大会で採用してこなかったビデオ判定。 

これは国内でライバル社の一つに位置するSLACKLINE INDUSTRIESが採用するISIルールがビデオ判定をいち早く取り入れていたことに、業界内のすみわけとの判断から採用されなかった背景が少なからずあったからだと感じていた。 

そこをあえて採用した点については、業界の発展のためにも、大きな一歩を踏み出したといえる。 

ただし、前述の通り
大会当日に各選手の総得点は公表すると日本スラックライン連盟は公言しているものの、
各トリック技の得点がどのように基礎点に該当するのかが不透明であり、
技の個別の配点については公表できないことが補足されている。 

トリックライン競技を得点化することを発表していながら、
すべて開示されない座組となると、得点を順位確定の判断基準にした意味合いが薄れる。

一つの例をとると、
体操競技やフィギュアスケートなど、加点方式の得点での競技判断は、すべての技の得点が開示されている。 

それゆえに、合計点が発表されたところで、競技者は何が順位確定の決め手となり、
得点につながっていたのか明確に判断できない。 

本来は、得点の内訳が明確に出ることで、大会後にさらなる高みを目指す技術向上のための課題につながるわけだ。 

細かな得点の内訳が発表されないとなると、競技者からしたら、
自身が打ち出した技が、 

加点対象になったのか?
減点対象になったのか? 

これを開示しない限り、本当の意味で納得のいく順位付けにはならないだろう。 

仮に、0.1ポイント差というように表彰台のボーダーラインを僅差で敗戦した選手は、
その納得できる判断材料が少なすぎる。 

日本スラックライン連盟が

競技を得点化した以上、

この点については改善点として、
早急に改正するべきではないかと感じる。 

どちらにしても明日には、国内初の
日本スラックライン連盟認定のアマチュアの頂点が決まる。 

参加選手は、この新ルール条件下で60秒をどういった演技構成を組んでくるのかも楽しみの一つである。   

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