NIPPON OPEN


画像@GIBBON SLACKLINES JSAPAN

文:FREEFALL編集部 高須基一朗
 

GIBBON SLACKLINES JAPANが創設後、
豊洲BUDDYにて2010年に第1回 大会開催を皮切りに
これまでに毎年1回のペースで開催している「ニッポン・オープン」。 

「ニホン・オープン」でも「ジャパン・オープン」でもなく、正式名称は「ニッポン・オープン」という表記の送り仮名が正しい。 

巷では日本オープン=ジャパン・オープンと英語引用を略してJO(ジェー・オー)などと言い回しをするものたちも多いが、
運営側は、この「ニッポン・オープン」という表現を頑なに重要視している。 

このニッポンという言葉を引用、または継承する形で、NIPPON LINEという日本人 大杉徹選手(GAPPAI)オリジナル・シグネチャーモデルのネーミングのスラックライン・モデルが本年度に生産されているがゆえに、この表記・表現は正しく伝えていくべき要素なのかもしれない。 

8年連続8回目の「GIBBON NIPPON OPEN」が今週末2017年10月21日~22日までの2日間での開催が差し迫っている中、 

スラックライン専門誌を手掛ける立場として独自の視点で見どころを特集したいと思う。 

深読みするための煽り番組的要素を盛り込んだcolumnとして読んでくれたら幸いである。


先月、長野県小布施町でスラックライン・ワールドカップ「FULL COMBO」の開催されたのは記憶に新しいところだが、出場した海外選手の顔ぶれが非常に豪華であった。 

この結果から、「GIBBON NIPPON OPEN」に参加する招待選手のラインナップが

「FULL COMBO」に比べると劣ることが危惧されたが、ふたを開けてみれば、それを覆す形で

遜色なく豪華な海外勢の選手の参戦が発表された。 

すでにスラックライン・ファンの間ではご存じの方が大半かと思うが、
GIBBONブランドのサポートを受ける知名度抜群な世界で活躍するライダーが集結。
スラックライン業界において、世界の中心が日本であることを知らしめる招集となる結果であったといえる。 

エストニアからは、マドンナのバックダンサーとして名をとどろかせ、
スラックラインで世界中を回った経験も持つヤン・ローゼ選手。(2度目の来日) 

ブラジル人ライダーでは、数々のタイトルを獲得し続ける世界トップレベルの選手の一人であるペドロ選手。 

アメリカからは、レッドブル・アスリートとして同じく世界のトップ戦線で活躍するアレックス・メイソン選手(こちらも2度目の来日) 

そして、女子部門において、来日を日本中のスラックラインファンが待ち望んで
いたブラジル出身のジョバンナ選手の初参戦。

なんといってもペドロ選手&ジョバンナ選手の両ブラジル人選手が初来日することにはついては、心弾む状況にあり、二人のトリックラインの豪快かつ美しいトリック技を、生で見れるということを考えただけで贅沢であり楽しみでならない。 

「GIBBON NIPPON OPEN」という日本の頂点を決めるコンセプトの大会にも関わらず、世界のトップライダーが、このタイトルを狙いに来日した形であり、

本年度6月にドイツで開催した同ブランドGIBBON社が銘打っている「SLACKLINE MASTERS」ワールドシリーズ戦の世界レベルに負けず劣らず、世界水準を超える大会になるであろうことを予想できる。 

ルール・ジャッジングシステムはGIBBON本家ドイツで本年度に採用されたATAルールを日本オープンでは採用すること無い。

従来通りの国内独自のジャッジング方式で進行することで間違いなさそうだ。

一部変更された点としては、

これまで固定されたジャッジメンバー3人の人選が、ついに変更になっている。

勝敗判定が、人選変更により、

どのように下されるのかも興味のある点である。


日本のトップライダーたちが一堂に集い、頂点を目指して競う真剣勝負は楽しみではあるのだが、

毎度ではあるものの、どうしてもアマチュア出身の選手たちが、この強豪ひしめく世界のトップ選手を相手に どこまで食らいついて活躍するのかが筆者の興味の中心にある。 

どんな試合でも真剣勝負に絶対勝利はない。 

国内のトップ選手であれば、この伝統と格式ある本イベント「GIBBON NIPPON OPEN」では少なからずプレッシャーは感じるであろうし、アマチュア選手たちにも勝ち星を獲得するチャンスがある。 

故に、アマチュア選手たちが、とてつもない度肝を抜くトリック技を本番で成功させて、下馬評を覆す形で勝ち星を掻っ攫ってくれることに期待している。

オープン男性部門において、注目しているアマチュア選手として最初に名を挙げるのであれば、

石田創真選手に高科英一選手の両2名。 

二人ともに社会人として日中は仕事をして、少ない練習時間をうまく使って
スラックラインの技術を高めていった選手である。

限られた時間で技術を磨き、スラックラインと仕事を両立させてる姿は、親近感を持てる存在であり、スラックラインを"たしなむレベル"の者たちの模範となる。

そして、このアマチュアレベルの選手たちが大舞台で活躍することこそが、

トリックライン競技人口を増やす きっかけの一つになるのは間違いないからだ。

 国内トップ選手の人間離れした超絶技を素人目に観ても、
トリックラインを趣味の一つにスポーツとしてやってみようと、直結にはつながらない。 

アマチュア選手が、エンジョイ・スタイルを大舞台で見せつけることも、

実はとても大切なことである。 

アマチュア選手が善戦する姿こそが、筆者が、思い描く楽しめる見どころポイントだ。 


競技は違えども、スラックラインと何かと共通項が多いスノーボード競技に目を向けても、

ビックエアーの大会、

ハーフパイプ競技、

スロープスタイル競技と、

多種多様なスノーボードの競技が存在する。

(ネットで検索してください)

同様にトリックラインの分野でも、今後、様々な枝分かれした派生するジャンルを確立して

初心者が自分の適性を理解して気軽に取り組める競技環境づくりを確立していくことも大切である。

加えて、アマチュアとプロに線引きに、深い溝を作ってしまうことを回避することも忘れてはならない。 

それゆえに大衆向けの誰でも手軽にできるスポーツ・コミュニティーというコンセプトを崩し続けると、スラックラインはマイナースポーツから脱却することは、何年も先になってしまう。 

本筋の日本オープンの話から脱線しすぎてしまっている感を否めないので本筋に戻す。


先日、高科選手のトリックラインの練習を久々に目の当たりにしたのだが、バックタスティックからの3COMBOがすでに完成形に近づいている点。
そのほかにも単発ながらバキシマスなどのバックバウンス系の安定感は、プロ顔負けといえる。 

仮にバックバウンス系を苦手とする選手と高科選手が対戦となった場合を想定すると、
アマチュアながらプロ打ち負かす可能性も考えられる。 

石田創真選手についても同様に、体操競技の出身者ゆえに、トリックラインでの技を打ち出す際の空中姿勢に空間認知能力と適応力は、ずば抜けている。 

先月9月30日をもって、スラックラインのトリックライン競技をはじめて丸2年間の節目を迎えたというが、たった2年間でトリック技術を国内トップクラスの技術へ仕上げている状況を考えると、今後の成長も末恐ろしい。 

今年度の春先の新宿中央公園でのイベント「SLACKLINE FREESTYLERS」から8月開催の「OCEAN SLACKLINE」までの4か月の期間でも明らかに技術は急速に伸びていた。
それゆえに、そこから更に10月までの2か月間でも技術は明らかに伸びているだろう。
ここ数か月の練習環境には同じくアマチュア選手で体操競技出身の梶田(かじた)選手と、技術を磨きあっっているのも技術向上の相乗効果を生んでいるともいえる。
余談だが、この梶田選手は11月の全日本アマチュア選手権へ大会初出場を予定しており、アマチュアながらインポッシブルの大技をメイクできるとの話なので、本誌FREEFALL編集部でも注目している選手である。
 

石田選手の師匠であり西日本スラックライン界の生ける伝説、
竹中一朗選手へ電話取材にて話を聞いたところ、
「春先に比べると、(石田創真選手は)間違いなくメイク率が上がっています。
それに、チェストから前回転のフリップのメイク率は抜群でCOMBOも仕上がってきていますね~。一緒に週4日のペースでトリックラインの練習に頑張っていますよ」

「GIBBON NIPPON OPEN」初戦を突破できれば、石田創真選手の存在感を世に知らしめることになる。 

そして忘れてはならないのが、小学生ながらにあえて、一般男性部門で大人たちに交じって本年度より挑戦をし続けている林映心選手にも注目している。 

木下晴稀選手に中村侑我選手と、国内屈指のライダーと供に練習環境に身を置いていることが技術面での成長速度を押し上げている。 

今年は、フロントからバックと交互に縦回転を組み込んだCOMBOで打ち出し技の安定感が高いがゆえに、この日本オープンでも、大物食いをやってのける可能性もあり得る。 

また、スラックラインフィットネスで活動を続けている波多野氏が、その活動実績を

提げてスタティック系の技で会場を盛り上げてくれるであろうことが予想される。

アマチュア選手の独創性あるポテンシャルで、どうやって盛り上げてくれるのか?

筆者には楽しみな点である。



 女子オープン部門では、
やはり4強の壁を打ち破るのは容易いことではない。
4強とは、
福田恭巳選手、岡田亜佑美選手、須藤美青選手、ジョバンナ選手、
この4人を示すことでまずは間違いないだろう。
おそらくトーナメントの4本の柱をこの4人と想定した場合、
トーナメント表で順当に勝ち上がった場合は準決勝で、この4人が当たるように
トーナメント表は間引かれることになる。
そして、この4強の壁を打ち破る者が現れるのかも見どころの一つ。

オープン女性部門での能力面と安定性で考えた場合、
やはり田中咲希選手と佐々木優選手、
ともに14歳の中学2年生 仲良しコンビが、この4強の牙城を破るのかが気になるポイントだ。
佐々木優選手に限って言えば、
東京の室内練習場である豊洲BUDDYにおいて、筆者が管理している立場上、
練習を毎週のように見て、成長を目の当たりにしている。
「GIBBON NIPPON OPEN」で4強を破るための戦術面での対策に余念がない。
横回転フロントサイドのバット720度の大技などを本番でメイクできれば、

この4強を脅かす状況もあるだろう。

また、小学生ながらに林映心選手同様に一般部門へ参戦している佐々木燈選手(小学六年生)の存在も忘れてはならない。

本番に強い佐々木燈選手は、今年に入りUNIQLOの春ものキッズ新商品で、UNIQLOモデルを務めた経緯もあり、それが評価される形で東京ドームで開催されたUNIQLOキッズイベントへの参加など、大舞台での活躍がたびたび見受けられる。

よって大舞台で場慣れしていることを差し引いて考えると、4強を打ち破る能力を秘めている。

720度フリーフォールやブレンダの大技がしっかりと成功するかが、勝敗を左右するだろう。

そして男子一般部門同様に、アマチュア代表として大西美雪選手に松本美紀選手にも

ベストパフォーマンスで会場を盛り上げてくれることに期待している。


36歳以上のマスター部門においては、
ともにクロニックに練習拠点をもうけている
竹中一朗選手と田中健雄選手、この二人が優勝候補であることは、ほぼ間違いないだろう。 

そこに割って入るべく中村学選手と新井正城選手の挑戦も、また楽しみだ。 

この4名の招待選手の技術面でのチカラ差は歴然であるが、アラフォーがこの日本オープンの大舞台で、精いっぱい体に鞭を打って頑張る姿を楽しみたいと思っている。 


キッズ部門に参戦の子供たちについては、 

大戸元気くん、 

大沼颯仁くん、 

大沼宙樹くん、 

栗林憧羽くん、 

田中健介くん、 

中村陸人くん、 

 竹部栞桜ちゃん、 

舛岡心音ちゃん、 

舛岡蓮凪ちゃん、 

山森さほちゃん、 


キッズ部門は男女ともに、子供たちの急成長の情報が、ふり幅が広すぎて、

誰が優勝するのかわからない。 

しいて言うならば、やはりブランドサポートを受けてるキッズライダーが、
自身のプライドをかけて戦うという観点からみると、頭一つ技術面で抜けているのではないかとは感じる。 

個人的な見解でいえば、九州や北海道の地、はたまた地方から、台風直撃の悪天候の中で、

遠路はるばる家族の協力あって、東京の会場へ上京している背景を知ってしまうと、
地方出身の子供たちには、何かしらの結果が伴ったらと、
ひいき目で見てしまうところがある。 

初日に誰が勝ちがるのか!?

明日の開幕初日まで24時間をきってるが、今から興奮が冷めやらぬ状況にある。



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