アブラハム、アリソンついに来日!

文:FREEFALL編集部 高須基一朗  


いよいよ明日から「GIBBON日本オープン2018」が二子玉川ライズにて2日間にわたり開催される。

本大会をもって9年連続開催となり、国内トリックラインの歴史を振り返ると

年月の流れの早さに驚きを隠せず感慨深い。 

イベント規模を変えずに9年間、9月のこの時期に毎年かならず大会を実現させている偉業は、

「GIBBON SLACKLINES JAPAN」小倉代表の尽力の賜物かと思う。

この場を借りて敬意を表したい。


さて男子オープン部門では、昨年度の覇者であるペドロ選手(ブラジル)が招待選手第一候補となり無条件で来日となるところだが、怪我の回復が間に合わず競技ができる万全の体調ではないことから

来日を辞退。 

予定していた4名の招待海外選手中、最終的に2名が来日となった。

2名の招待選手はアブラハム選手(チリ)とアリソン選手(ブラジル)。 

昨年、「FULL COMBO WORLD CUP 2017」にてアブラハム選手は来日したものの、ワールドカップ直前の練習時に肘の大怪我を負ってしまい、 日本で卓越したトリックラインの技術をファンに披露することが叶わなかった。 

ゆえに1年間待ちに待って、国内であの豪快なトリックラインがいよいよ生で観れるということだ。

ファン待望の再来日といえるであろう。 

ペドロ選手が来日できず、アブラハム選手が来日と、この2人の直接対決が日本で観れる可能性が消滅した点は落胆するところであるが、これも因果な関係であろうかと思う。 

来年以降に、この夢の対決が持ち越しになったと解釈すればよいのだろう。

また1年間、国内トリックライン大会で参戦をしていない細江樹選手も、この舞台へ必ず戻ってくるはずである。

"豪華な顔ぶれが参戦する日本オープン"…とっておきの極上の楽しみは来年度10周年記念大会でお披露目となる未来が待っているとなれば、今年度の状況は、その10周年を盛り立てる演出の

伏線といったところだろうか。 

忘れてはならないのだが、こちらも世界最高峰のトリックライン技術を持つアリソン選手が初来日している点。

彼のSNS投稿のトリックライン動画をたびたび拝見しているが、大技のバリエーションが多彩。

ここぞの本番で、その数々の大技をメイクすれば、

表彰台のトップを狙っていける選手の一人であろうかと思う。

この2人のビックネームの参戦が正式に確定したことから、

現段階で今年度の国内最高峰の戦いが間違いなく今週末に観れるというわけである。

招待選手は、 

男子オープン16名 

女子オープン8名 

ジュニア男子5名 

ジュニア女子5名 

マスタークラス5名 

昨年の同大会と比べると、男女ジュニアとマスタークラスの3クラスのトーナメントで 1名ずつ招待選手が増えていることから、全体の進行で3試合の試合数が増えたと思われがちだが、

昨年度に初採用した全選手の順位を確定される順位決定トーナメントは今年度は実施しないことから、実際の進行スケジュールでいうと、去年よりタイトな過密スケジュールではないといえる。

予選ジャム・セッションから参戦の選手は、そのジャムセッションでの予選通過順位確定によって

本戦トーナメントでどの枠に入るかが確定。

トーナメントでの勝敗を大きく左右することとなるわけである。

そしてトーナメント本戦が始まれば負けたら終わりの1発勝負で従来の日本オープンの形式で戦わなければならない状況だ。

おそらく、オープンクラス男子では、このアブラハム・ヘルナンデス選手、アリソン・フェレーラ選手、木下晴稀選手、田中輝登選手の以上4名がベスト4最有力候補であり、ベスト16のトーナメント表が開示されれば、各選手はベスト4勝ち上がりの端っこに、うまい具合に鏤められて名を連ねていると思う。

そこに割って入り虎視眈々と上位を狙っている選手といえば、 この日本オープンに照準を絞り追い込みの練習を重ねてきた 早坂航太選手と中村侑我選手、更に松本礼選手、石田創真選手、河合稀一選手、林映心選手、田中健介選手。

下馬評を覆して大物食いをやってのけてくれる可能性のある、このあたりの選手たちには期待が高まる。 


女子オープン部門も、昨年の覇者である福田恭巳選手と準優勝のジョバンナ選手(ブラジル)が、

一身上の都合により参戦できなかった。

この選手層の事情を考えると、女子の盛り上がりは昨年度に比べると劣ると思われがちだが、

そんなことはない。 

次世代女王の栄冠を狙うべく、バチバチの戦いが予想される。

本大会はポスト福田恭巳のポジションを奪う、熾烈な争いとなるわけだ。

若きGIBBON TEAM JAPAN女子ライダーの岡田亜佑美選手に佐々木燈選手に佐々木優選手。

更にはSI JAPAN所属の渕上万緒選手に、先週末に「FULL COMBO JAPAN」ハイクラスで優勝した絶好調の田口千夏選手、"最強アマチュア女子ライダー"の西和子選手も登場する。 

そして、どの女子ライダーよりも急成長を遂げているSIインターナショナルライダーの須藤美青選手が、約2か月間の沈黙を破り、この舞台へ満を持して登場予定。

さて、どんなドラマが待っているのか楽しみだ。


ジュニア男子は3連覇のかかるプレーシャーをはねのけて中村陸人選手が優勝を手にすることが出来るのか!? 

ジュニア女子は竹部茉桜選手と急成長を遂げている山森さほ選手あたりが優勝候補と予想される。 

マスタークラスでは、男子オープン/女子オープン部門同様に昨年の覇者である竹中一朗選手が招待されるも参戦を辞退。 

よってマスタークラスでは、技術と実績に勝る太田朋史選手が優勝候補の筆頭かと思う。

ジュニア部門以外の3部門の各クラスで昨年の覇者が不在という異例の状態だが、

ここ数年は競技者の入れ替わりがほとんどなく参加選手にも代り映えがしないトリックライン業界ゆえに、新しいヒーローやヒロインが生まれる可能性がある顔ぶれについては、

とても良い傾向と感じる。 

ジュニア男子/女子、マスターの3クラスは5名のみの参戦となり

タイムスケジュールを拝見すると

翌日は準決勝から組まれているので、5人中で1名のみ予選ジャムセッションで敗退の

残酷な結果が待っている。

生き残り本戦をかけて5人がプライドをかけた対決となることは間違いない。


余談だが、来年度2019年度のGIBBONシリーズ戦のマスタークラスより

久保貴臣選手や田中健雄選手など、これまで日本スラックライン界に数々の功績を残してきた選手たちが競技選手としてカムバックして、このマスタークラスを盛り立てるとの話が浮上している。

よって来年度は、今年度までのマスタークラスのレベルと比べると、天と地ほど選手層の厚みが変わる状況になる。

これも同様に参加選手の顔ぶれが変わることとなり、選手の勢力図が変わり楽しみでしかない。

来年2019年度のマスタークラスには是非とも注目してもらいたいと思う。 

今年の覇者は各部門どうなるのかも気にあるが、専門誌の立場としては、来年度のことを視野に入れて、大方の予想を打ち破り、トーナメントを勝ち上がる偉業をやってのける選手たちに是非とも注目していきたい。


【出場予定/招待選手】

・オープン男子 

田中 輝登 / 木下 晴稀 /Abraham Hernandez(アブラハム ヘルナンデス) /中村 侑我 /Alisson Ferreira(アリソン フェレーラ) /石田 創真 /大杉 徹 /河合 稀一 /田中 健介 /高科 英一/  竹部 叶大 /波多野 雄哉 /早坂 航太 /林 映心 /松本 礼 /平塚 健生(故障者リスト入り) 

 ・オープン女子 

 岡田 亜佑美/佐々木 燈 /須藤 美青 /渕上 万緒/佐々木 優 /西 和子 /田口 千夏 /田中 咲希(故障者リスト入り) 

 ・マスター 

 太田 朋史/新井正城 /中村 学 /西 恵吾 /舛岡 広一 

 ・ジュニア男子 

   中村 陸人/大戸元気/ 大沼 颯仁/ 大沼 宙樹 /栗林 憧羽

 ・ジュニア女子 

  竹部 茉桜/山森 さほ/ 渡辺 莉央/大嶋 暁子 /岡澤 恋

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